医療機関の場合

医療機関に関する導入事例を4件、紹介しています。

医療現場において、日々の業務を行うにあたり、電子化がどんどん進んできていて、電子カルテの表示時刻は正確でなければならず、かつ、他の業務と時刻を一致させることが非常に重要になっている中で導入の必要性が生じています。

各事例について導入の経緯、導入の効果などについて記述しています。

京都大学医学部附属病院次世代医療・iPS細胞治療研究センターの事例（NTPクロック）

臨床試験では、何らかの薬を投与したり医療行為を行ったりすることにより、身体にどのような変化が現れるかを経時的に調べます。

ある時間を切り取って、そこで何が起こっているのかということを観察するので、時刻の記録は非常に重要です。

また、ある事象が起きた時に、施設内の時計同士が同じ時刻を刻んでいることが、記録を取る上で、また、試験データの信頼性を確保する上で極めて重要です。

そのため、施設内の時計同士を確実に同期させ、かつ、電子カルテの表示時刻と一致させる仕組みの導入が必要となり、NTPクロックを導入することになりました。

その結果、京都大学内のNTPサーバーからの時刻情報により、閉じたネットワーク内で電子カルテの時刻と施設内の時計を統一することができているので、安心して正確な時刻を参照できるようになりました。

岩手医科大学付属病院の事例（NTPクロック）

医療安全の観点から、事故が発生した際の記録の保存や時系列の情報というのは非常に大切です。

もし時計が狂って、基準にする時刻がぶれてしまうと、事実関係の記録が前後バラバラになってしまうことにつながります。

正確な時刻を記録するということは、病院として当然の努力義務になっています。このような背景から、NTPクロックの導入を検討しました。

患者の生体モニターの情報が電子カルテに逐一残っていく一方で、スタッフは何時何分に何をしたという記録を残さなくてはならず、電子カルテの時刻と一致した時計が不可欠です。

さまざまな処置を突合するのは電子カルテなので、NTPクロックの時刻参照先を、電子カルテの時刻を合わせているNTPサーバーと同じにすることで、記録の正確性を担保できるようになりました。

前橋赤十字病院の事例（NTPクロック）

医療現場においては、医療安全の観点から時間管理が非常に重要です。医療記録としてカルテに書き込む時刻は正確である必要があり、また長期間入院する患者の場合は、生活習慣の管理のため、常に時間を考慮します。

移転前の病院でも、全ての時計の時刻を確認して、調整するための日を設けるなど、時間管理には特に注意を払ってきており、新病院の設備においても、時計の時刻が正確に合わせられるという点は最重要要件でした。

しかし従来の電波時計では、電波が取れずに時刻ずれが発生していて、正確な時刻を表示できる機器の導入が急務になり、NTPクロックを導入するに至りました。導入したことにより、時刻が合っているという安心感が生まれました。

時計を調整する手間もなくなり、業務も効率化できるようになりました。

非公開の医療関係機関の事例（勤次郎JustTime Server）

医療機関では、日々の業務に関する電子化が急速に進んでおり、カルテや個人情報などは、ほとんどが電子機器による管理に変化しています。

その中で、電子カルテは証跡記録の信頼性を確保するために、使用するパソコンやサーバーなどに正確な時刻が求められています。

また、診療予約システムでは、1分1秒の時間のズレにより診察が後回しになってしまうことや、診察時間内であるにも関わらず診療予約ができないなどの問題もありました。

こうした背景から、正確な時刻精度を必要とし、タイムサーバーを導入することとなりました。機器の設定はとても簡単で、数時間で院内環境にNTPサーバーを構築することができました。

そして、電子カルテや予約受付システムはもとより、院内のパソコンやサーバー、診療予約システムなどの電子機器が同一の時間を確保でき、信頼性や安心感の面から、患者へのサービスの向上にも貢献しています。