テレホンJJY終了でタイムサーバーは買い替えるべき？

テレホンJJYは、2024年3月末にサービス提供を終了します。ここでは、テレホンJJYの特徴や終了の理由、買い替えについて解説します。

テレホンJJYについて

テレホンJJYとは、公衆電話回線を利用して正確な時刻情報を供給するシステムです。パソコン通信などで標準時を得ることができ、専用受信装置を用いれば1ミリ秒程度の精度の時刻を取得可能。

以前は電話回線がアナログ接続であったため、専用装置を用いたテレホンJJYが普及していました。しかし現在では、光電話回線やインターネット等のデジタル回線を利用したシステムが開発されています。

テレホンJJYの終了はいつ？

情報通信研究機構（NICT）によると、テレホンJJYシステムは2024年3月31日に終了します。 なぜ終了するのかというと、「テレホンJJYシステムの老朽化」と「アナログ電話回線のIP網化」が理由として挙げられます。

テレホンJJYは製造から20年ほど経っており、維持が難しくなっているといいます。また、日本国内においてアナログ回線のIP網化への設備切替が進められており、テレホンJJYでは時刻同期の精度が不十分。そのため、サービス提供の終了が決定したのです 。

なお、テレホンJJYのように有線を使用した標準時提供方式として、「光テレホンJJY」が挙げられます。光テレホンJJYは2019年2月1日から正式運用が開始されており、テレホンJJYの代替手段となっています。

時刻源がテレホンJJYの機器は買い替えるべき？

テレホンJJYを利用している場合は、他の時刻源の機器へ買い替えることをおすすめします。

テレホンJJYを時刻源としている機器は、2024年3月31日のサービス終了日をもって使用できなくなります。

なお、光テレホンJJYで受信した信号をテレホンJJYに変換する機器の開発が進められていますが、2023年12月現在、販売情報がありません。そのため、2024年3月31日の終了を待たず、早めに他の時刻源の機器へ買い替えをおすすめします。

時刻源がテレホンJJY以外の機器について

GNSS

GNSS（Global Navigation Satellite System）とは、GPS衛星を利用した位置情報システムです。カーナビや携帯電話などに搭載されている時刻源であり、高精度な時刻提供が可能。ただし、GPS衛星からの電波を受信するために、アンテナの設置が必要。屋内や地下では使用できないケースもあります。

光テレホンJJY

テレホンJJYサービスを提供する「情報通信研究機構（NICT）」が運営するサービス。光回線電話を使用して標準時を提供しており、電話回線の敷設が必要。GPSなどの電波が届かない場所でも使用できます。

長波JJY

光テレホンJJYと同様に情報通信研究機構（NICT）が運営しており、電波時計の電波を使用しています。標準電波によって時刻の修正が可能ですが、毎年行われる定期点検時には停波することがあります。そのため、別の時刻源を用意しておきましょう。

FM

日本放送協会（NHK）が提供するNHK時報です。FM放送を利用しており、安価に設置可能。ただし、GPSや光テレホンJJYより時刻修正精度は優れていない点に注意が必要です。

タイムサーバー内部時計

タイムサーバーの内部時計は、災害時などにおいて重要な役割を担っています。たとえば災害によってGPSや光テレホンJJYが使用できなくなった際、また、外部との通信ができない環境では、グランドマスタークロックとしてタイムサーバーの内部時計を使用します。